定期借家権の登場|今後の不動産市場
定期借家権の登場
従来の賃貸契約(普通借家契約)では、正当な理由がなければ、不動産所有者から契約の解除はできず、そのため一度家や部屋を貸すと、ほぼ自動で契約が更新されることになっていました。
しかしながら、新たに登場した定期借家権付き契約においては、契約時に決めた年数が過ぎると、契約は必ず終了します。
更新をする場合は、不動産所有者と借家人が新たに契約を結び直すか、あるいは別の物件を紹介してもらうことになります。
また、契約期間においても、普通借家契約では、1年以上20年未満という制限がありましたが、定期借家権付き契約には、まったく制限がありません。従って、2ヵ月といった短期的な契約から、10年といった長期の契約まで、自由に設定できます。
ただし、定期借家権付き契約は、あくまでも2000年3月1日以降に新規に契約される場合に適用されたものなので、それ以前に契約されていた普通借家契約を定期借家権付き契約に変更することは許されません。
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なお、普通借家契約が禁止されたわけではありませんので、新規に契約する場合は、どちらかを選択することになります。そして、定期借家権付き契約を締結する場合は、公的証書などの書面による契約が必要です。
また、不動産所有者は予め借家人に対し、「建物賃貸借の更新がなく、期間満了により賃貸借が終了すること」を記載した書面を交付し、その説明をしなければならないことになっており、もしこの説明をしなかった場合は定期借家権付き契約は無効となり、普通借家契約となります。